スイートルームの許婚
桜ちゃんはいつも、私を励ましてくれた。



スランプの時も、作品が人気不調の時も…



「俺の仕事と由可奈の仕事は通じるトコがあって、CDを出す度に、オリコンのチャートばかりが気になって、自分たちではいい出来だと思っても売れてなきゃ~世間の評価は厳しい…。テレビ番組の視聴率も、CM商品の売上も…数字数字…ともかく…結果出さないと…安達社長も厳しくて…。そんな時…励まされるのが…ファンたちの声で…」



-----トーガ…



「・・・多分、由可奈も同じかな?って勝手な思い込みで…せっせと由可奈の小説を読んで感想書いて…」



私はヘッドフォンを栗原さんに渡して、二人の元に行こうとドアを開けた。



「「由可奈!!?」」



「ゴメンなさい・・・トーガ…私…」



瞳のダムが早くも決壊して、涙なしでは謝れなかった。



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