スイートルームの許婚
*支配人として
宴会部門の樫田(カシダ)チーフを緊急で呼び出し、記者会見場のセッティングに追われた。



いつもなら、結婚の披露宴で、新郎新婦が座る高砂席に設けられた会見席。



マスコミ・テレビ局各社用に300席の椅子を用意。


パイプ椅子をスタッフ総出で並べていく。



「・・・?」


俺の業務用のケータイが鳴り響く。
相手は無視のできない安達社長。


「栗原…俺…ちょっと…社長に呼ばれたから行ってくる」


「わかった…」


エレベーターを利用したくても、この慌ただしさに気づき、宴会フロアには人集が出来ていた。


俺は仕方なく、階段を使い、安達社長のいるスイートに向かった。



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