スイートルームの許婚
会見は無事に終了。
俺も大役をやり遂げ、気が抜けた。
『oz』の4人は会見後、直ちに、ライブ会場に入って、リハーサル。
「ありがとう。小早川さん」
会場の片付けに追われた俺に礼を言いに、安達社長が舞い戻ってきた。
「こんな会見よりも現場のライブ会場の方が大変なんだけど…俺にはどうするコトも出来ない」
「皆、トーガの分まで…頑張ると公言していたし、大丈夫ですよ」
「そうだな~」
安達社長の眼鏡越しに見る瞳は優しげで、初めて口元から笑みが零れた。
「これからもよろしくお願いします…安達社長」
「こちらこそ、よろしく…小早川さん」