スイートルームの許婚
「奥様の口から聞いたらしい…」



「じゃあートーガとは赤の他人?」


「そう…なるなぁー」



「・・・」


「お嬢様の様子何だか変だったし…何事なければ、いいけど」


栗原の言葉で俺のキモチは不安に駆られた。

でも、掛けてやれる言葉が見つからない。


由可奈のコトばかり、考えてはいられず、慌ただしく時間が過ぎていった。



* * *

俺はVIPルームフロアの給湯室で、『oz』4人に飲み物を用意。

ライブの初日を無事に終え、疲れた様子等、見せるコトなく皆、笑顔で部屋に戻って来た。



「小早川」


給湯室に血相を変えて、栗原が飛び込んできた。












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