スイートルームの許婚
「由可奈の出生の秘密は俺も知っています。あえて口にはしません。でも、出生が明らかにされた以上…俺は由可奈を諦めません…俺と由可奈を結婚させてください…」


そっぽを向き合った二人が一途に俺を見つめた。



「私も由可奈には申し訳ないコトをしたと思っている…」


「でも、あなたはダイヤモンドホテルの支配人で…」
龍咲社長は俺と由可奈の仲を認めてくれたけど。


奥様は言葉を濁し、渋い表情。



「確かに『ダイヤモンドホテルグループ』の我が『ドラゴングループ』とはライバルだったが、今は争うべきではない。この長き渡る不景気…共にホテル業界を盛り上げる為にも…業務提携を結んでいいと思っている。安達社長には私から打診してみる」



「ありがとうございます」



「小早川君はあなたのお気に入りなんですね・・・」


「由可奈には心から愛した人と幸せになってもらいたいだけだ」




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