スイートルームの許婚
「おい?夜景ばかり見てないで…俺を見ろよ」


眼鏡のない愛斗は少し強引で、俺様…


そこがいいんだーーー・・・



「はいはい」
私は素直に、返事して、愛斗を見つめる。


いきなり、抱き締められて、愛斗は私の肩口に顔を乗せる。
濡れた髪の雫が私のワンピースの肩を濡らした。



シャンプーの爽やかな匂い。


抱き締められるだけで、身体の熱が増す。


愛斗は私の肩口から顔を離して、私の顔を覗き見る。



「ねぇースパークリングワインで少し乾杯しよう…ほら、トーガたちからもらったベネチアングラスで」

『oz』から結婚祝いに貰ったのは、装飾の凝ったペアのベネチアングラスだった。


「ワイン?俺…アルコール飲めないんだけど」


「大丈夫大丈夫…炭酸みたいな感じだから、飲めるよ~愛斗にも」


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