スイートルームの許婚
「大ちゃんと萌ちゃんはお仕事で不在…」



いつものメンバーに愛斗を加えて、パーティのはじまり。



愛斗は主役だけど、皆のノリに今一つついて行けない様子。



ソファーに一人座って、缶ビールを飲んでいた。



「・・・」
私はさり気なく、愛斗と同じソファーに座り込む。



二人の間は人が一人入れるくらいのスペースが空いていた。



「お前…俺のコト小説に書いてるの?」



「え、あ…」


愛斗はチビチビとビールを飲みながら、私に問いかけて来た。



「『嫌いな許婚に囚われて』ってツンデレのお前らしい…ひねくれたタイトルだな…。本当はスキ過ぎて…ヤバイんだろ?」



「何よ…若い私たちのノリについて行けない…アラサーのオジさんが何言ってるのよ!」


売り言葉に買い言葉の私たち。
< 67 / 289 >

この作品をシェア

pagetop