スイートルームの許婚
「その…減らず口…塞いでやろうか?」


愛斗は缶ビールを飲み干して、グッと缶を握り潰す。
私の言葉を間に受けて、怒り始めた。



そして、眼鏡を外した。

違う人格にロックオン。


もう一人の愛斗が私をジッと見つめる。


瞳は甘い溶けかけのアイスのようにとろんとしている。


昼間と違う様相。


変なフェロモンまで垂れ流しされているーーー・・・



「…」


愛斗は私に抱き締める。



「・・・」


そして、そのまま私の肩に額を乗せて来た。



「・・・」


----寝息?


愛斗は眠りに落ちていた・・・











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