スイートルームの許婚
愛斗が私たちに紅茶を淹れてくれた。



ポットからカップに紅茶を注ぐ仕草まで、絵になってしまうような愛斗。



私は頬杖をついて、愛斗を見つめる。



「桜先生」


愛斗に聞こえないような小さな声であっちゃんが私を呼ぶ。



「愛斗さんってイケメンですね」



「あ…」
私は声を出して、言えなかったけど、コクリと首を縦に振った。



愛斗はイケメンなってる。
8年前とは比べ物にならないくらい。


8年前もそりゃイケメンだったけど。
今ほどじゃない。



「あの…小早川さんは付き合ってる方いるんですか?」


あっちゃん!!?





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