スイートルームの許婚
『勤務中』だと頑な態度を崩さなかったけど、あっちゃんのしつこいお誘いに根負けして、愛斗は私の隣に座った。



「お言葉に甘えて頂きます…」


「これは?」
愛斗はテーブルの上に置いていた私の人気シリーズ『初恋ダーリン10』の最新刊を手に取った。



「返して…」


「見せろよー」
愛斗の手から取り上げようと私は手を伸ばしたけど遅かった。


「それは私たちが運営するケータイ小説サイト『ペガサス』で連載している人気シリーズの小説です。桜先生のデビュー作の作品でもあります」



「へぇーっ」


何も知らない愛斗にあっちゃんが事細かく、作品の説明。


急にカァーと全身が紅潮。






< 85 / 289 >

この作品をシェア

pagetop