スイートルームの許婚
だって、作品の主人公の相手役は愛斗と言う名前だから。



8年前…愛斗が私の昼寝中に読んだ作品が(かなり修正してるけど…)そのまま、私のデビュー作に。
そして人気を博し、シリーズ化されて、今回で10冊目となる。
私の代表作の作品。


裸を見られているみたいで恥ずかしいし、
穴があったら、入りたい気分。



「その作品の相手役も愛斗君なの…」



「みたいですね…」



愛斗は20ページぐらいパラ読みして、私に本を返した。



「…」



私は黙って、受け取って、ジャージのポケットに入れこんだ。





「何でそんなに俺の名前を使う?」


「別に…意味はないわよ」


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