スイートルームの許婚
「今すぐ…持って来て」



「はぁ?俺は勤務中だ…お前のわがままは全部は聞けない…」



愛斗は冷たく私の命令をバッサリと切り捨てた。



「愛斗は私の世話人でしょ?」



「俺はコンシェルジュだ!俺だって早くこのホテルに慣れて、立派に仕事をこなしたいんだ!!」




「・・・」



「ディナー終わったら…内線で呼び出せ」



愛斗は苛立った様子で、背を向けた。



「終わった…要らないから下げて…」



「…」



愛斗は眉間に深い皺を寄せて、振り返る。


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