あぶない お姫様
* それぞれの想い *
クラス中が騒がしくなる。
「華!」
大声であたしの名前を呼ぶと、ズガズガと歩み寄る。
ガシッとあたしの腕を掴んだかと思うと
グィっと引き上げ強引に歩かせ教室を出る。
「ちょっと蓮! 痛いよ…」
あたしの声など聞いていない。
お互い黙ったまま、旧校舎の空き教室へと連れて来られた。
やっと掴まれていた腕が離され、ソファに座らされた。
周りには、蓮、卓、勇次、魁人…紅蓮の幹部が勢揃いしていた。