あぶない お姫様

「俺達には言ってくれても良かったんじゃねぇ?」


蓮は冷たい眼差しをし、煙草に火をつける。

出会って間もない蓮達。

過去のあたしを忘れさせてくれると思った。

これ以上こいつらを巻き込む事は出来ない。


「あんたらに言って何になる?これはあたしの問題だろ?」

「なんだと? 華!」

「よせ!卓!」


卓は立ち上がり、怒りを露にした。

それを魁人が止める。


「散々みんなに心配かけさせやがって、なんていう事を言うんだ!」

「誰が心配してくれって頼んだんだよ!」


本当は“ごめん”って言いたかった。

でもこいつらを守れんのはあたししかいない。

早くあたしとの関わり合いを切らないと大変な事になる。

特に蓮は上条コーポレーションの跡取りだ...

その息子を危険な目に合わせることはできない。
< 135 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop