あぶない お姫様

教室のドアを開け、


「華!」


大声でアイツの名前を呼び、腕を掴む。

グィっと引き上げ強引に歩かせ教室を出た。


「ちょっと蓮! 痛いよ...」


昨日はぐったりしていた華...

でもその華がどうして藤堂と一緒に学校へ来たんだ?

俺は苛立ちを隠せないまま、華の腕を握り締め旧校舎の空き教室へと向かった。

腕を離し、ソファに座らせた。

卓、勇次、魁人...紅蓮の幹部が勢揃いる。


「華ちゃん、今朝車で送ってくれたのって 藤堂亮二?」


魁人は優しい口調で聞く。


「うん...。」

「うん。ってお前...あいつはお前の事狙ってたんじゃねぇのかよ!」


卓はイラついた口調で言う。



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