あぶない お姫様
「誰にも教えていない。もちろんあたしの身内にも。知っていたのは亮二の両親ともう一人の人物だけ」
「お前の親父さんにも言ってなかったのかよ!」
勇次は声を大にして話す。
「伊吹兄弟との繋がりがあるから言えなかった」
確かにあの兄弟には言えないだろうな...。
「晴馬さん...すげぇ心配してたんだぞ!それなのにお前は...」
「やめろ 勇次!」
俺は熱くなる勇次を止めた。
「俺達には言ってくれても良かったんじゃねぇ?」
俺はそう華に言葉を放つ。そして煙草に火をつけた。
白い煙が天井に伸びていく。