あぶない お姫様
* 復活 *
マンションに帰りバッグに数日分の着替えを詰め込む。
そして父宛に手紙を書いた。
“ しばらく家には帰らないと ”
この短い文章でも、あたしがどこに行くか父には分かるだろう…。
バイクの鍵を握り締めマンションを後にした。
どのくらいバイクを走らせただろうか…。
見覚えがある街並みが見えはじめた。
……母の実家。そして母が眠っている場所。
「 おばあちゃんいる?」
玄関開けると同時に大声で叫ぶ。
バタバタ と足音が聞こえる。
「は、華ちゃんかい? 」
おばあちゃんはあたしの突然の訪問に驚いている。
おばあちゃんは街並み外れた小さな集落に一人暮らしをしている。
「 急に来たりしてごめんなさい。」
あたしの様子がおかしいのが分かったのか、おばあちゃんはニコニコしながら
「疲れただろう? さあ、お上がり。」
あたしの背中をぽんぽんと叩いて家の中へ入るよう勧めた。