あぶない お姫様
* 復活 *

マンションに帰りバッグに数日分の着替えを詰め込む。


そして父宛に手紙を書いた。




“ しばらく家には帰らないと ”




この短い文章でも、あたしがどこに行くか父には分かるだろう…。


バイクの鍵を握り締めマンションを後にした。




どのくらいバイクを走らせただろうか…。


見覚えがある街並みが見えはじめた。




……母の実家。そして母が眠っている場所。





「 おばあちゃんいる?」




玄関開けると同時に大声で叫ぶ。





バタバタ と足音が聞こえる。






「は、華ちゃんかい? 」





おばあちゃんはあたしの突然の訪問に驚いている。


おばあちゃんは街並み外れた小さな集落に一人暮らしをしている。





「 急に来たりしてごめんなさい。」





あたしの様子がおかしいのが分かったのか、おばあちゃんはニコニコしながら




「疲れただろう? さあ、お上がり。」




あたしの背中をぽんぽんと叩いて家の中へ入るよう勧めた。





< 158 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop