あぶない お姫様
リビングに入り椅子に腰掛ける。
「お茶しかないけど。」
おばあちゃんは申し訳なさそうにお茶を差し出す。
「ありがとう。ごめんね、急に訪ねたりして。」
差し出されたお茶を軽く口に含む。
「華ちゃん、学校で何かあったのかい?」
「えっ?」
「イジメられてんのかい?」
心配そうに尋ねる。
「婆ちゃんに言ってみろ、イジメた奴らを懲らしめてやるから。」
おばあちゃんは真面目な顔して覗いてくる。
…別にイジメられていないんだけど。
「大丈夫だよ。イジメなんてあってないから。」
「そうかい…。華ちゃんが年上だからイジメられてるんじゃないかって、いつも思ってたんだよ…。」
「みんな優しくしてくれるよ。 それに友達も出来たし。」
その言葉に安心したのか、おばあちゃんの顔に笑みが戻った。
しばらくおばあちゃんとおしゃべりした。
「おばあちゃん、母さんのお墓参りしてくる。」
「あぁ、行っといで。」
あたしは線香とロウソクを持って母が眠る墓地へと向った。