あぶない お姫様

マンションに帰りつくと　真っ先に　母さんに報告。


「ただいま　母さん　今日ね　友達できたよ　香織っていうんだ」


母さんの写真に話しかける。

去年事故で亡くなった母。　

大好きだった...


「あー　買い物にいかなくちゃ...」


あたしは着替えて　ヘルメットと鍵を握り　家を出た。


スーパーは、バイクで２０分の所にある。

今　そこに向かっている。


そしてスーパーに着くと、駐車場にあたしの　ビッグスクーターを止める。

今夜はすき焼き！



すき焼きの材料を買い　レジに並んだ。

後ろのおばちゃん達が　ひそひそ話している。



『さっきねぇ　ここの駐車場の近くで　喧嘩していたみたいなのよ...』



なぬ？　駐車場？　あたしのバイクは無事だろうか...

お金を支払い　食材を袋に詰め込み　急いで駐車場へと向かった。




「・・・・・」




あたしのバイクの前で　まだ乱闘中...

しかも　金髪の男１人で　数人相手に暴れている。

金髪の男の友達であろうか　離れたところで笑っている。


勝敗は金髪男の勝ちだな...。


しばらく金髪男を眺めていると

あたしはその男と目が合ってしまった。




「なに見てんだ　てめぇ!!」




おー！『てめぇ!!』ときたか...。

あたしは　はやく帰りたいんだよ...。





「あんた...そこ　邪魔！」





思わず　あたしの口から出た。