手を伸ばせば、届く距離まで。



華織がいる限り、どちらが譲ったとしても、わだかまりは一生消えないだろう。


そう思うと、少し後悔があった。


心のどこかで、圭とかけがえのない親友になりたいと、思っていたから。


ミステリアスな圭に、太陽に一番近い圭に、


俺は、惹かれていたから。


「もう…だめ、かな」


後戻りは出来ない。


俺は、華織を選んだ。


誰よりも、愛してる華織を。



【真樹Side終幕】

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