手を伸ばせば、届く距離まで。



『いらないのよ』


求められたい。


『子供なんてもの』


愛されたい。


結局いつも、俺は愛するだけで愛されることはない。


いらないのだと。


俺が、生きていくこと―――


「俺がいるからな」



久野、だ…


顔は見えない。黙って、餃子を食っている。



「圭の周りに誰もいなくなっても――― 俺が、いる。」



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