手を伸ばせば、届く距離まで。



「けーいっ!」


「わ」


肩をつかまれ、前方に体が揺れてシャーペンを手放した。


…華織だ。


「どうだった、圭?今回は強いよー」


「…手ごたえ充分。必ず勝つから」


俺の言葉に、華織はきょとんとする。…あれ?


「何か、圭も真樹も必死だね。真樹はこの前15位だったし…」


「15位…!?」


驚愕。


うそだろ…10位しか、差がついてなかった…?


負ける。


焦燥があおった。



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