手を伸ばせば、届く距離まで。



――――――▼久野Side.



「…ハァ…」


窓の外は、桜が散り行く景色


テストの問題用紙には、ぐしゃぐしゃに書いた線。


俺…何やってんだろ。


「久野ー、何たそがれてんの?笑えるぞ」


「…神崎(かんざき)」


制服を着くずし、テスト勉強のやる気のカケラもない男。


一応の幼なじみ、神崎昇(のぼる)だ。


「たそがれてるように見えるか?余裕こいて見えるか?」


「それはそれで見えないな」



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