手を伸ばせば、届く距離まで。
せっかく礼を言ったのに…前言撤回してえ
「親友ってさ、一番じゃなきゃダメなの?」
息を吐きながら、神崎が突然そんなことを言った。
一番…
「そうじゃ、ないけど。…何となく…」
何となく。
圭と真樹が、俺の入る余地などないくらい、仲良くなりそうに見えたんだ。
だから怖くて、さみしくて。
一番の親友だったら、真樹より優先してくれるかもしれない
俺を、ずっとそばに置いていてくれるかもしれないと思ったんだ。