手を伸ばせば、届く距離まで。



「ま、いいや。テスト頑張ろうな~」


「………………」


チャイムが鳴って、それぞれが席に戻っていく。


配られたテスト問題表紙を見つめながら、思った。


―――圭にとって、俺は…


けど、やめた。


考えても考えても、答えは出てこないだろう


人は、他人のことが分からないから。


人は、悩みや真理を持ってしまうものだから。


圭…頑張れ。



【久野Side終幕】

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