手を伸ばせば、届く距離まで。



と、和む会話をしていると、真樹が華織のとなりに来た。


テストで疲れた、という顔をしている。


「真樹、疲れてるね」


「…ああ。この勝負だけは、負けたくなくて」


ギ、と機械的な真樹の目線を喰らった。


そこまでして…なぜ止めたがるのか、さっぱり分からないな…。


そんな事を俺が考えていると、何を思ったか、真樹は突然ニヤリと笑んだ。



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