手を伸ばせば、届く距離まで。



「圭。」


びくっ、と肩が跳ねた。すばやく振り返る。


そこには真樹がいた。


真樹も、あらかさまに勉強で疲れたという顔をしている。


「ちょっと、良いか」


…何だ?


やっぱり、俺が決着をつける前にだから、華織に関してだろうか。


怖いと思いつつ、承諾して真樹と教室を出た。


桜は、風に吹かれてさらに散ろうとしている。



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