手を伸ばせば、届く距離まで。



俺はそんな華織を…守れていただろうか。


いつも、自己中じゃなかっただろうか。


《ねえ圭》


「…うん」


すう、と息を吸う気配。


《真樹は…あたしのすべてを、受け止めてくれるかな》


しばらくの静寂が流れた。


俺は少し考え、咳ばらいをしてから答える。


「それは…真樹に聞き」


《聞けないの。聞いたら、怖くて、言えなくなっちゃうと思う》



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