手を伸ばせば、届く距離まで。



「か…おり…」


《どうしたの?もしかして眠い?あの、だったら…》


「―――受け止めて」


ぴたりと、華織の声が止まった。


俺は続ける。


「受け止めて、くれるさ。真樹なんだから」


真樹は、華織を愛してる。


それなら、思ってることも同じだ。


俺が華織を受け止めてやれるなら、真樹もすべてを受け止めてくれる。



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