手を伸ばせば、届く距離まで。



つい吹き出した。


それを見て、圭は少しすねたようにうつむく。


俺は何とか笑いを抑えた。


「言えばさ―――つまり、三人で仲良くなったままで居たい、ってことだろ」


「……………」


なんだ。


見通し済みだったのかよ。顔に書いてあるぜ。


「…けど、もう関わらないって真樹と…」


「それは圭とあいつの問題」


あ、やっぱ笑える。


悩んでる人に笑うのは、失敬だろうな。



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