手を伸ばせば、届く距離まで。



「久野…!」


は?泣いてる?笑えるんだけど。


何で俺が泣くの?苦しんでるのは圭だろ?


「何で…―――」


ああもう、また。


「久野?…寝たのか?」


……………。


また、俺は手放すんだ。



『望!なんでそんなに、まっすぐに言うんだよ!』


『ひどい!サイテーね!』


『望なんて、だれもしゃべってやらないー!』



俺はいらないんだ



【久野side終幕】

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