手を伸ばせば、届く距離まで。



――――――



落胆した。


俺、何か久野を怒らせてしまったみたいだ。


真樹のグチを言ったからかな…。


久野にひっつかまれるなんて、相当だな。


あー、本当に難しい。


俺は久野の、近寄りがたい背中を見て息を吐いた。


どうしてだろうな。


俺、久野のこと分かってるつもりだったのに。


嫌われた。


きっとそうだ、明日は早朝に出よう。


ごめん、久野。



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