手を伸ばせば、届く距離まで。



『圭くーん…あぁぁあん…』


『どうしたの、華織ちゃん』


小さいときから、俺が一番近い存在だった。


太陽のような華織は、誰にも頼れない強気すぎる女子で、いつも俺が相談相手となっていた。


だけど俺には、勇気も自信もない。


華織に積極的にすることさえ、俺には出来る訳もなかった。


『彼氏が出来た』


そう聞かされたとき、諦めしか残らなかった。



< 3 / 557 >

この作品をシェア

pagetop