手を伸ばせば、届く距離まで。



俺は一気に思い出したせいで、教室で倒れた。


中学前の、小6の時のことだった。



俺は、圭にさえ怯えるようになり、全てからふさぎ込んだ。


先生。


記憶が戻ったことを知れば、先生は俺自体を消しに来る。


先生が、先生が―――。


―――バンッ!


光が射す。


俺の部屋に、圭が押し入ったのだ。


相変わらずの、無表情の、感情を押し殺した声だった。



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