手を伸ばせば、届く距離まで。



『久野は、それでいいんだ。痛みも苦しみも、全部お前だから。 その痛みも苦しみも、俺と同じなんだから』



―――同じ。


怖くない。


先生が俺をまた奪っても―――大切な、もう一人の俺がいる


圭が居る限り、俺は失わない


この痛みと、苦しみを。


失っても、また取り戻す。


圭がいるから。


大丈夫だ。


俺はちゃんと、ここにいる。



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