手を伸ばせば、届く距離まで。



「いっつつ…」


振り返った拍子に、ぶつかった腰が痛んだ。


相手は、ちょっと幼い感じの女の子。


見覚えがあると思ったら、うちの中学校の制服だ。


一年生かな…


「申し訳ない。大丈夫?」


「お兄ちゃん」


「ぶふァッ!?」


噴いたのは、当然のごとく真樹。失礼な。


しかしとりあえず、この子は知らないし、妹なんていない。



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