手を伸ばせば、届く距離まで。



やっと我に返る華織。


真樹は元から素で、呆然と女の子の背後を見送った。


―――と、


「ひゃああっ」


「あ、妹ちゃん」


女の子が遠くで転び、華織が白々しく言う。


根に持っていらっしゃる…


「と、とにかくあの子を学校まで送ろう」


「…そうだな。なあ圭、俺重度の子供嫌いなんだ」


「!?」


「あたしも、あの子の首を絞めそうで怖いわ。…ぎゅ、と」



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