手を伸ばせば、届く距離まで。

□妹の願い




――――――▼久野side.



あくびをたっぷりしながら、遅刻ギリギリで登校した。


かなりの力で殴ったためか、右手の甲は赤い。


あんなつもりじゃなかった。


栗原の、恨めしそうな顔なんてさせるつもりなかったのに。


「…はー…」


これじゃ、助けるどころか悪循環じゃねえか。


やっぱりこんなの、向いてねー。



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