手を伸ばせば、届く距離まで。



「何年生だっけ?つーか、妹なら帰って来るだろ」


「一年。え、何で?」


ふん、と鼻を鳴らす。


神崎はきょとんとして、眉を寄せていた。


「だって、兄大好き妹だろ。シスコンなら、絶対兄と一緒に居たいはずだ」


家出はないだろうな。


神崎の話を日々聞いていると、妹が兄にぴったりなのが分かったし。


兄ナシでは、家出しない。



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