手を伸ばせば、届く距離まで。



ありえねー、可愛い女の子が『土下座しろ』と鼻を鳴らす光景を想像した。


変だ。絶対に変。


「まさに外道…」


「え?なんか言った?」


神崎の問いに首を振った。恥ずかしすぎる。


その時、放送のチャイムが鳴った。


俺と神崎は、それぞれ上を見上げて耳を立てる。


《えー…何?何て読むんだっけ?…あ、そうそうそれね。はい》


あれ。



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