手を伸ばせば、届く距離まで。



「ありがとう。君のおかげだ。まさか…生徒に更正させられるとはね」


「………………」


うつむく俺に、栗原は肩に手を置いた。


あやすように言う。


「久野くんに合った仕事は、きっと学校の教師だ」


優しい声に、嘘偽りなんてない。


「命の大切さを教える、良い教師になる。 成績も、久野くんなら問題ない」


「…将来なんて、まだ分かんねえよ」



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