手を伸ばせば、届く距離まで。



父さんは広い懐で、俺と一緒に乗ってくれて


母さんは見守りながら、ひたすら笑ってる。


俺は、たくさん笑うんだ。


ああ…何でだろ。


「もしかしたら…」


もしかしたら、俺が幼い時に両親を引っ付けていたら


二人共、あんな結末にならないで済んだのかもしれない。


…無力だ。


今、気付くだなんて。



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