手を伸ばせば、届く距離まで。



意を決したような、蒼い顔で見られて強張る。


圭は口を開く。


「真樹、一つ聞きたいことがある」


何だ?と、すんなり返せる雰囲気じゃない。


しかし、圭はすぐに続けた。



「真樹は―――まだ、華織が好きなのか?」



ざわり。


冷や汗がぶわっと出て、心臓が揺らめいた。


―――まさか、そんな…



【真樹side終幕】

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