手を伸ばせば、届く距離まで。



――――――


愛桜ちゃんは満足そうに、神崎に引っ付いていた。


神崎も、スッキリした顔で愛桜ちゃんを連れ帰った。


真樹も泣きはらしながらも、笑顔で帰宅。


家が近い俺と華織は、暗くなった道を歩いていた。


足音だけが、響く。


「圭、ありがとう」


「…?」何だ、いきなり。



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