手を伸ばせば、届く距離まで。



ニコニコした顔で、扉を開けた。


―――ドクン。


「…どなたですか?」


心臓が、目の前の人物を拒絶している。


だめだ。まさか…そんな…


「久しぶり」


弱々しい雰囲気ながら、大人の体格の男。


黒い、無造作な髪。


変わってない…そんな…でも、この人は確かに―――





「…父さん」



俺の、父親だ。



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