手を伸ばせば、届く距離まで。



―――…


夢を見た。


それは、小さい頃よく見た悪夢と同じ。


父さんが酔い、母さんが泣きながら座っている。


そして喧嘩をし始めた。


俺は無力だった。


両親の言葉が、まったく頭で解釈されていなかった。


けど今は、誘導するように両親の声が伝わってくる。


あの時、俺は幼かった。


しかし今は―――すべて、理解出来る。



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