手を伸ばせば、届く距離まで。



寒々しい、空の下。


無意味に“天使”と、頭の中でこだまさせてみた。


天使が、舞い降りた。


雪が、辺り一面を覆っているのだ。


―――2月。


全力を尽くした受験を終え、結果は有れど、安堵している。



『西高で、良いのか?』


華織は、唇を噛み締めた。


夢を捨ててまで一緒にいるのは、正しいのか問うたのだ。



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