手を伸ばせば、届く距離まで。



華織は、その表情から合格したと感じ取れた。


真樹は―――


「…?」


変な…複雑そうな、嬉しそうでも悔しそうでもない顔。


…何だ?


「真樹、どうだっ…」


紙がひらりと、真樹の手から滑る。


あわてて取ろうとし、紙の内容が見えてしまった。


―――合格を通知致します。


真樹も…合格したんだ!


でも、おかしい。…おかしい…。



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