手を伸ばせば、届く距離まで。



途端、真樹の目からとめどなく涙が溢れてきた。


驚きながら、思わず笑う。


「すぐに会えるって!な!」


「うううううあぁあ…!うん、うん…!」


子供みたいな真樹。また可笑しくなる。


―――そうだよ。


また、会える。


また会えるから。


「―――圭ーどうだったー」


「久野…―――」



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