手を伸ばせば、届く距離まで。



ああ、知ってる。


華織は、誰も信じない人間だということを。


「…信じる、か…。」


壁にヒタイをつけると、冷たさが伝わってきた。


まだ、華織の温もりが目の前にある。


まだ、華織の笑顔がまぶたにある。


「……信じられる…」


信頼される。


そのことが、初めて身に染みて重大な責任なんだ、と


俺は悟った。



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